口臭に対処するには、一番多い原因である口腔乾燥症へのケアが大切ですが、原因は複雑で、有効な対処法はすぐには見つかりません。そのため、短時間で除臭効果の出やすい対処療法的な処置が中心になります。基本的には、口腔粘膜の保湿(人工唾液やジェルの塗布、口呼吸の対処など)、唾液分泌の改善(食生活の指導、舌の体操、ガムをかむなど)を指導します。次に、通常のブラッシング方法に加え、口臭の原因である舌苔を取り除くことを中心に、正しい口腔粘膜ケアの方法を学んでもらいます。また、必要に応じて、歯石の除去や虫歯、歯周病を治療し、比較的長時間にわたり除臭効果が期待できるスプレーや洗口剤を勧めます。頻度としては少ないのですが、口の中に何の問題もなく、何らかの全身的な要因で息が臭うと考えられる場合は内科などの受診を勧め、必要な治療を受けてもらうこともあります。
2011.9.14 北海道新聞