わが子の虫歯予防のため、定期的に歯科医院でフッ素を塗布してもらうお母さんが増えているようです。世界保健機関(WHO)が「科学的根拠が証明されている虫歯予防法」としてフッ素の利用を推奨し、アメリカをはじめとする多くの先進国は、国の政策として虫歯予防のために積極的に導入しています。残念ながら、日本では欧米先進国に比べ、利用が遅れていました。フッ素(フッ化物)は、キシリトールより強力に歯の再石灰化(修復作用)を促進し、フッ素自体も歯の結晶成分の一部に取り込まれ、虫歯になりにくい丈夫な歯を作ります。その効果は成人となっても持続します。また、フッ素が虫歯菌の活動を抑えることも知られています。フッ素により、100%の虫歯予防効果が保証されるわけではありませんが、何もしない場合と比べれば効果は歴然としています。今では市販の歯磨き剤の90%以上がフッ素入りなので、そうした歯磨き剤で歯を磨いた上、幼児期や学童期にフッ素溶液を歯に塗布、あるいはフッ素溶液による洗口(うがい)を行えばさらに効果的です。同時に、甘いものを食べすぎない、定期的に歯科を受診してチェックを受けることも大切です。
北海道新聞 2011.10.19