私たちの体は鼻で呼吸することを前提に設計されています。鼻は高性能の「空気清浄機」「加温・加湿器」です。鼻で呼吸することで、空気中の汚れたちりや雑菌の大半は鼻の粘膜に吸着・除去され、鼻の中で適度に温められ加湿された空気がのどを通って肺に届きます。しかし、口呼吸ではちりや雑菌がほとんど取り除かれない上に、空気が十分加湿・加温されずに肺へ送られるため、気管支や肺に負担がかかります。病原菌やアレルギー物質が入りやすくなることで、免疫力が低下し、病気にかかりやすくなると考えられています。また、口の中に直接外気が入ることにより、口やのどの粘膜が慢性的に乾燥します。老若男女問わず、口呼吸は口腔乾燥症の大きな原因の一つで口臭や歯周病、虫歯の多発、さらには口内炎や口角炎の原因になることがあります。
北海道新聞 2011.11.2