よくかんで食べる人は認知症やアルツハイマー病になりにくい。これは医療関係者や老人保健施設などで働く人の間で経験的に知られている事実です。厚生労働省の調査(1995年)でも、アルツハイマー病患者の7割強で自分の歯が残っていなかったことから「よくかまないことが脳の老化につながり、アルツハイマー病になりやすくなる」と指摘しています。
よくかむことで脳への血流量が増え、常に脳細胞が活発に活動することが、この病気の予防につながっていると考えられるのです。歯を抜いてそのままにしていたり、合わない義歯を使うなどうまくかめない状態を放置していると、アルツハイマー病にかかるリスクが高くなる可能性があるのです。歯をしっかり管理し、よくかんでしっかり味わうことは、脳の健康維持のために大切なことといえましょう。
北海道新聞 2011.12.7