「口唇口蓋裂」の状態で生まれ、歯ぐきの骨が欠けていたAさん(20)に、骨を移植する計画が持ち上がった。中学3年生のときだった。2週間ほど入院するため、中学卒業後の春休みに上の歯ぐきの左側、高校1年生の夏休みに上の歯ぐきの右側に、すねの海綿骨を移植した。生まれてから約20年。口唇口蓋裂の治療に区切りがついた。足りない歯を補う補綴治療については検討中だ。今は大学で生物学の勉強をしながら、名古屋市科学館の展示室ボランティアや国際協力団体などの活動もしている。
朝日新聞 2012.2.25