日本糖尿病学会理事長の門脇孝氏は、5月17日(木)に行われたセッシ
ョン「理事長声明」の中で、アクションプランである「DREAMS」の
これまでを振り返り、その先にある最終目標は「Breaking up with
Diabetes(糖尿病よ、さようなら)」であると言及した。日本糖尿
病学会アクションプラン2010(通称、DREAMS)は、学会が2009年に
定めた第2次対糖尿病戦略5カ年計画に基づいて、具体的な活動目標
を掲げたものである。門脇氏は「DREAMS(夢)の実現に向けて」と
題して講演し、糖尿病研究の推進としては、新たに特別調査研究事
業として糖尿病と癌に関する合同委員会(委員長・国立国際医療研
究センター研究所の春日雅人氏)が立ち上がったことも取り上げた。
同委員会では、糖尿病罹患と癌発症リスク、糖尿病治療と癌発症リ
スクなどの疫学的評価を行うとともに、糖尿病患者の癌スクリーニ
ング指針を策定し、さらに糖尿病と癌の予防法の提言をすることを
目標に活動展開するという。また糖尿病の抑制については、唯一数
字目標を掲げている点に言及。具体的には、2015年の時点で糖尿病
患者数の増加を減少に転じさせ、糖尿病関連の死亡者数を現在より
減少させると定めていることを再確認した。この数字目標の実現に
向け、例えば日本医師会、日本糖尿病学会、日本糖尿病協会の三者
で設立した糖尿病対策推進会議が主導し、検診受診の促進と事後指
導による一次予防、糖尿病管理の質の向上と受療継続の推進、さら
には病身連携の推進に取り組んでいるとした。