6月4日から「歯の衛生週間」が始まる。歯の健康への関心が高まり、歯磨き関連の市場は伸びている。自分に合った「お手入れ道具」を選び、上手に使いこなす方法を紹介する。【五味香織】
◇歯周病予防には毛先の細い歯ブラシ 歯間ブラシ、フロスも
◇伸びる関連市場
厚生労働省は6年ごとに、歯科疾患実態調査を実施している。05年の調査では、歯を失う原因の一つとなる歯周病は中高年層で4割を超え、50代後半~70代前半は5割前後に達した。虫歯がある人は、若年層では減少しているものの、25歳以上はほぼ100%だ。
こうした中、歯磨き市場は拡大傾向にある。調査会社インテージの調べでは、歯磨き剤の売り上げは、08年の701億円から11年は753億円に伸びた。
「デンターシステマ」シリーズなどを手がけるライオンによると、市販されている歯磨き剤は約50種類。中でも、500円以上の高価格帯は伸びが大きいという。歯周病や歯槽膿漏(のうろう)の予防などをうたったものが多く、1本1000円を超える商品も。生薬を配合した商品も人気だ。
歯磨き剤だけではない。歯間ブラシやフロスといった歯間清掃具も伸び盛りだ。糸ようじや歯間ブラシを製造販売する小林製薬によると、市場は10年に100億円を超えた。同社広報部は「歯周病の予防などを意識して、歯のお手入れに投資する人が増えているのではないか」と説明する。