高齢になると口や手の機能が衰えて、食事の際の食べこぼしが増えがちだ。食事の姿勢に気を配るなど、周囲が工夫して上手に支えたい。
まず大事なのは、食事中の姿勢を安定させることだ。いすに座った時に、足裏がかかとまでしっかり床に着くように。足が浮いている場合は、足元に踏み台やすのこなどを置く。また、背もたれやひじ掛けと体の間にクッションを挟んで体を安定させること。正しい姿勢は、誤嚥のリスクを減らすことにもつながる。皿と口の距離も大切だ。もし手で皿を持ち上げられない場合には、皿を置く位置を少し高くしたい。
口からこぼれてしまうのなら、口腔機能に詳しい歯科医や言語聴覚士に相談するといい。例えば、口にしたものを喉の奥へ送り込む舌の機能が衰えているケースなら、食べ物を舌の奥の方に入れるなどの工夫をするだけで、食べこぼしが減ることもあるという。
読売新聞 2012.3.2