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歯科医が無罪主張 インプラント死亡事故

東京都中央区の歯科医院で2007年、顎の骨に歯根を埋めて義歯を付けるインプラント手術で女性=当時(70)=を死亡させたとして、業務上過失致死罪に問われた歯科医師飯野久之(いいの・ひさし)被告(68)は3日、東京地裁(吉村典晃(よしむら・のりあき)裁判長)の初公判で「断じて過失はない」と無罪を主張した。

 検察側は冒頭陳述で、歯根が固定できなかったためドリルを深く挿入し、下顎の動脈を傷つけたと指摘した。

 弁護側も冒頭陳述を行い、女性の動脈は当時の医療水準で把握できない位置にあったと反論。被告は同じ方法で多くの手術を成功させており「事故は予測不可能だった」と主張した。

 起訴状によると、被告は07年5月22日、女性の下顎の骨をドリルで削った際、誤って動脈を傷つけて大量出血させ、翌日に窒息による低酸素脳症などで死亡させたとしている。