記事一覧

(大分)安易な救急車利用増加…「湿布かぶれ」「歯痛」

 「湿布で肌がかぶれた」などを理由に安易に救急車を呼ぶケースが県内で増えている。各消防本部は「命にかかわるお願いです 救急車は本当に必要な時に」などと書いたステッカーを救急車や消防車に貼るなどして適正利用を呼びかけている。(高良亜矢子)

 県消防保安室によると、2010年に救急車で搬送された4万4301人のうち、軽症患者の割合は、前年に比べて1004人増の1万5993人。入院を必要とする中等症患者の43・7%に次ぐ36・1%を占めている。

 県内14消防本部のうち、出動件数が最も多い大分市消防局では、10年から、軽症患者と中等症患者の数が逆転した。

 「歯が痛いので来てほしい」。深夜、20歳代の男性から119番が入り、痛み止めを処方してもらうために救急病院に搬送した。

 搬送した救急救命士(41)は「通報の段階では、症状がはっきり分からない。大きな病気の前触れの場合もあり、駆けつけないわけにはいかない」と話す。