厚生労働省は15日、生活保護の見直しを衆院選後に先送りする方向で検討に入った。来年度予算案の越年編成が確実な情勢になったことに加え、国民の信任を得た新政権の意向を反映させる必要があると判断した。
厚労省は、厚労相の諮問機関である社会保障審議会の部会で、生活保護費のうち光熱水費、食費などに充てる「生活扶助」の水準と低所得世帯の支出を比較し、支給額が妥当かどうか5年に1度の検証作業をしている。結果を受け基準額を改定することになる。
同時に生活保護制度の見直しと困窮者支援を盛り込んだ「生活支援戦略」も策定中で、いずれも当初は年内に結論を出す予定だった。
生活保護をめぐっては、自民党が保護費の削減方針を打ち出しているほか、日本維新の会も医療扶助(医療費)に自己負担を導入する考えを示している。新政権の枠組みによって、厚労省が現在検討している政策が見直しを迫られる可能性がある。