水素水の摂取に歯周病を予防する効果があるとの研究結果が、ラットを使った実験で確認された。岡山大学大学院医歯薬学総合研究科予防歯科学分野の森田学教授らのグループによる、世界で初めての証明となる。今回の研究では、歯周病を惹起させたラットを2群に分け、一方に蒸留水、もう一方に水素水を摂取させた。結果、蒸留水を与えたラットでは、経時的に血液中の活性酵素の濃度が高まったものの、水素水を与えたラットでは、血液中の活性酸素の増加を抑えることを確認。さらに、水素水を与えたラットの歯茎の組織を観察したところ、蒸留水を与えたラットに比べて歯周病の進行が抑制されていることが確認されたという。これまでの研究で、歯周病の進行に活性酸素が関わることが知られており、今回の実験によって、水素水の摂取に伴う活性酸素の減少が、歯周病の進行を予防した可能性を示したことになる。成果は、欧州の歯周病専門雑誌「Journal of clinical Periodontology」に掲載された。
現在、歯周病予防は歯磨きや歯石除去など、口腔内で行われているが、本研究の成果は前進の抗酸化力を高めることもまた、歯周病の予防に効果的であることを示唆。日本人の成人の80%が歯周病または予備軍といわれる昨今、その新しい予防法の可能性に期待したい。