財務相の諮問機関である財政制度等審議会が、2013年度予算編成に向けて取りまとめる報告書の最終案が17日、明らかになった。70~74歳の医療費の窓口負担を2割から1割に軽減している特例措置を早い時期に廃止し、生活保護の支給水準を引き下げるよう提言。無駄な公共事業の削減も要請した。
報告書は、医療費をめぐり、政府、与党が70~74歳の窓口負担の特例を当面続ける方針を固めたことを「この期に及んで問題の先送りは許されない」と批判し、13年度に廃止するよう求めた。
消費税率引き上げ分は一部を社会保障の充実に使う予定だが、国の財政事情が悪化した場合は「見直すこともちゅうちょすべきでない」と指摘。平均入院日数を短縮するための病院や病床の改革など社会保障費削減への取り組みが必要と強調した。
生活保護は、食費や光熱水費などの「生活扶助」を一般の低所得者の生活費並みに引き下げ、現在は無料の医療費は、一時的に窓口で支払い、後から払い戻す制度の導入も訴えた。年金は、高所得者への給付見直しや支給開始年齢の段階的な引き上げの検討を要請。介護保険は、利用者の自己負担割合の引き上げが必要とした。
報告書は、財政健全化に取り組むことの重要性を説き、安倍政権が重視する公共事業の効果に疑問を呈した。地方公務員給与を国家公務員並みに下げることも求めた。