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がん患者に口腔ケアを 高知県歯科医師会拠点病院と連携へ

がん患者に治療前から口腔(こうくう)ケアを行う取り組みを、高知県歯科医師会が本年度から始めた。県内のがん診療連携拠点病院と地域の歯科医が連携し、重い口内炎などの合併症を防ぐ狙いで、6日には高知大学医学部付属病院と合意書を結ぶ。同会は「患者のQOL(生活の質)向上へ、医科歯科連携を広めたい」としている。

 がん治療中の患者は免疫力が低下。口の中の細菌が増え、誤嚥(ごえん)性肺炎を引き起こすことがある。また、抗がん剤や放射線治療では口内炎や出血、口腔乾燥、味覚障害などの副作用も。食事ができなくなり、やむを得ず治療を中断する例も少なくない。

 こうした合併症は、がん治療前に虫歯や歯周病を治療しておくことで予防・軽減できることから、国立がん研究センターと日本歯科医師会が都道府県ごとの連携を呼び掛け。本県では高知大病院を皮切りに、高知医療センター、幡多けんみん病院、高知赤十字病院に広げる計画。

 同会は16日から来年にかけて3回、がん患者への口腔ケアを学ぶ講習会を開催。修了した歯科医を「連携歯科医師」として登録し、病院に名簿を提供する。病院では主治医が「口腔ケアが必要」と判断した患者を、地域の連携歯科医師に紹介。患者の状態を把握し合いながら、治療とケアを進める。

 織田英正会長は「がん患者を適切にケアできる歯科医を増やしたい。医科歯科連携を軌道に乗せ、糖尿病など他の疾患にも応用していきたい」と話している。高知新聞 6月5日(水) 配信