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夏遊びの栄養補給 食事編 速やかに牛乳など口にして

夏場に屋外で遊んだりスポーツを楽しんだりする時は、水分や栄養への気配りが欠かせない。2000年シドニー五輪陸上女子1万メートル代表で管理栄養士の高橋千恵美さん(37)に、栄養面での注意点を聞いた。

 厳しい暑さの中で体を動かした後は、疲れて食欲が落ち、食事を後回しにしてしまう人も多いだろう。だが高橋さんは「体が消耗しているので速やかな栄養補給が大事。少し食べるだけでも回復具合が違います」と言う。

 そんな時に高橋さんが薦めるのが、牛乳、ヨーグルト、チーズなどの乳製品。とりあえず、たんぱく質を多く含み、のどを通りやすい物を口にするといい。フルーツや、かんきつ系の果汁100%ジュースもビタミンCが取れる。子供に「晩ご飯が食べられなくなるからダメ」などと我慢させず、適度な量を食べさせよう。

 運動中の補給に適しているレモンは、運動後にもいい。特に、おなじみのレモンの蜂蜜漬けは、ビタミンCや糖分の補給ができて理にかなっている。「皮にもビタミンCが多いので、ぜひ一緒に。硬さが気になるなら刻んだり、すりおろしたりして」。厚めの輪切りにすると、食べる時によくかむことで食欲も誘う。蜂蜜はレモン全体がかぶるくらいの量を。冷蔵庫で1週間あまり保存できるので、作り置きも可能。汁を水や炭酸水で割って飲んでもおいしい。

 少し体を休めたら食事をとろう。食欲が戻りきっていないと用意が面倒で、内容もあっさりになりがち。だが、疲れた時こそきちんと食べたい。高橋さんのお薦めは、野菜や芋などあり合わせの材料を煮たスープ。「簡単に作れて食べやすく、栄養のバランスも良い。ご飯や卵を入れればリゾットにもなります」。定番のそうめんにも野菜やハム、炒めて好みの味をつけたひき肉などを添えると、味の幅も広がり食が進む。

 高橋さんは陸上選手を引退後、5年間の学校の事務職を経た後に聖徳大(千葉)に通って栄養学を学んだ。選手時代に夏でも毎日厳しい練習があり、「体を元気な状態に保つため、水分補給や栄養の大切さを実感した」のが動機という。スポーツ選手でなくても体の中から元気でいたいもの。ちょっとした気配りで夏を乗り切ろう。