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超高齢化社会における食への取り組み フレンチ、おせちが変わる

今年のお歳暮商戦で特に目につくのが「ソフト」「やわらか」と
銘打った肉、魚介類の高級食品の贈答品である。酵素で処理したり、
調理法を工夫することにより、咀嚼能力の低下した高齢者にも、美味
しく味わえる、歯に優しい食材が多く見られる。このような取り組み
はすでに飲食業界でも始まっている。
以下はその一例
ホテルニューオータニ大阪内のフランス料理店『サクラ』は現在、
高齢者にもフレンチを楽しんでもらうための「摂食支援プロジェクト」
を行っている。同店では以前から咀嚼に不安を抱える高齢の客などに
対し、メニューを食べやすくアレンジして提供するなどのサービスを
行っていたが、今夏から「摂食支援プロジェクト」として取り組みを
強化した。オーダーに応じて、肉料理は肉自体の味を味わえるように
工夫しながら細かく切り、付け合わせの野菜もピューレ状に食べやす
くして提供する。「高齢者向けに柔らかい調理を心がけ、個人の体調
に合わせ切り方や大きさも工夫、食材の持ち味は生かした調理方法に
している」と永井義昌料理長は話す。「家族と同じメニューで、素材
の形状を変えたりすることで一緒に食べる楽しみを味わってもらった
り、食べる意欲につなげたりしてもらえたら」としている。
一方、高齢者用食材メーカーの『ふくなお』は2014年の高齢者用の正
月おせち料理として「やわらかおせち重」の予約販売を開始した。
同社は、創業60年の水産加工、惣菜製造・販売を行う『大市珍味』を
親会社に持つ高齢者食専門のメーカー。見た目と味にこだわったやわ
らかい商品開発を10年以上実施してきた実績をもつ。今回販売する高
齢者用やわらかおせち重は、咀嚼障害の高齢者でも家族と共に自宅で
食事を楽しめるのがコンセプト。同社通販サイト『ふくなおネットシ
ョップ』で販売する。「やわらかおせち重の販売を機に、自宅で介護
するご家族にも楽しく食べられる、一緒に楽しめるという商品がある
ことを知って頂きたい」「より良い介護、頑張らない介護をサポート
したい」とし、高齢者食品の販売増加につなげたい考えとのこと。