兵庫県尼崎市が昨年、大手コンビニエンスストアのローソンと協働で実施した、店舗前の駐車場で健康診断を受ける「コンビニ前健診」で、受診者の約8割が同市の健診を初めて受けた人だったことが28日までに分かった。同市によると、約7割に何らかの異常所見が見られ、中には血圧200mm/Hgを超える重症者も見つかったという。【坂本朝子】
コンビニ前健診は、生活習慣病の予防に力を入れる同市と、健康支援事業を展開するローソンが協定を結び、地域協働のモデル事業として始めた全国初の試み。昨年10月から12月にかけ、市内6店舗で計12回実施され、市内外の16から82歳までの248人が受診した。
市へのデータ提供に同意した235人のうち、71.9%に高血糖や高血圧、高LDLコレステロールなど、何らかの異常所見が見られ、25.1%の人が心筋梗塞などの発症リスクが高い「メタボリックシンドロームとその予備軍」と指摘された。
また、今回の健診では、16-39歳の若い世代の受診率が50.2%を占め、今年度に同市で実施された通常の集団健診(12.3%)と比べると、4倍に増えた。同年齢層の男性では、4人に1人が高中性脂肪、高LDLコレステロールで、3人に1人がHbA1c値が高く、2人に1人が高血圧で、若年層でも生活習慣の偏りが示唆される結果だった。
コンビニ前健診という新たな試みで、未受診者や若年層の受診促進につながったことから、市は今年4-6月に再度、同様の健診を実施する予定。