東京電力福島第1原発事故に伴う県民の健康影響を調べるため、県歯科医師会は3日、東北大大学院歯学研究科、奥羽大歯学部と共同で、乳歯を使って内部被ばく線量の研究調査に近く入ると明らかにした。ヒトの歯から内部被ばく線量を評価する研究は国内初。
会員の県内約800の歯科医院と診療所は、永久歯に生え替わる際などに抜けた子どもの乳歯を5年間かけて収集、両大学が歯質に含まれる放射性セシウムやストロンチウム濃度から内部被ばく線量を推計する。
研究は環境省の助成を受け、2018(平成30)年まで続ける。歯科医院は県民から乳歯の提供を受け東北大に郵送する。同大はデータを蓄積し「乳歯バンク」に登録、奥羽大との共同研究を進める。高い精度を必要とする検査には時間がかかり、結果が出るまで数年を要する見通し。歯の提供者には、県歯科医師会を通じて結果を伝える。提供者の費用負担はない。