ライオンは5日、オーラルケアで虫歯予防のブランド「クリニカ」を2月12日に全面刷新すると発表した。フッ素を口の中に残しやすくする新処方で歯磨きを改良するほか、歯垢を取り除くデンタルフロスでは奥歯の歯間にも使いやすい商品を出す。デンタルリンスも細菌の増殖をより抑える品揃えに一新する。予防歯科を大切にする世の中の変化に対応。花王やサンスターなどの競合他社も動きを活発化させており、ライオンは商品力の強化でシェア首位の座を固める。
「クリニカアドバンテージハミガキ」(想定売価349円前後など)では、エナメル質に対して吸着性の高いフッ化ナトリウムとヒドロキシエチルセルロースジメチルジアリルアンモニウムクロリドを配合。歯の表面にフッ素が長くとどまり、虫歯の発生と進行を防ぐ。デキストラナーゼ酵素など3つの薬用成分も入れた。
耐久性に優れた高強度ポリエチレンからなるデンタルフロスは、挿入しにくい奥歯にも楽に使える「Y字タイプ」(同315円前後)を開発。殺菌成分である塩化セチルピリジニウムと塩化ベンゼトニウムの働きで虫歯などの原因菌の増殖を長時間抑える「デンタルリンス」(同499円前後など)も用意し、高まる需要に備える。
厚生労働省の健康日本21(第2次)などでは健全な口腔内を維持するため、「治療」から「予防」に視点を向けた取り組みを強化する動きが強まっている。ライオンは予防歯科への重要性がさらに高まるとみて、主力ブランドの全面刷新に踏み切る。