スリーエム ヘルスケアは、従来の治療費の半分以下で白いかぶせ物(クラウン)治療を行える奥歯用の歯科材料を発売した。セラミックと樹脂による金属フリーのハイブリッド材料で、銀歯など金属品以外を選択すると保険適用外のため高額な治療費が必要となる現状から患者の選択肢を増やすことができる。即日での迅速治療を可能とすることでコストの大幅な引き下げを実現した。
スリーエム ヘルスケアが発売するのは、「3M ESPE ダイレクトクラウン」(大臼歯)。メタクリレートと無機質フィラーからなるもので、奥歯の治療時に審美性のある白いクラウンを装着する際に使う。
保険適用内でかぶせ物治療をする場合、金属製のものしか使用できない。白い審美性の高いクラウンを選択すると、保険適用外の自由診療となり、7万~15万円もの高額な治療費を強いられる。
新製品は、結晶性レジン技術を駆使してクラウンが柔らかい状態でも形状を保持することを実現。これにより歯形を取ることなく歯科医が自分でクラウンの形状を調整できるようにした。即日で治療できることから、技工費、人件費、時間の短縮につながり、保険適用外の審美性材料としては大幅な治療費低減を実現する。歯科医は新たな導入コストを必要としない。
また2種類のナノ粒子構造を採用。摩耗しても表面に凹凸ができにくく、食べ物や飲み物による着色がしにくい。金属フリーであることから、乱高下しやすいレアメタル材料の価格変動の影響を受けにくく、金属アレルギーの心配も不要となる。