総務省によると、65歳以上を高齢者とするのが国際的にもほぼ共通しているという。1956年の国連報告書で位置づけられたとされるが、その根拠ははっきりしていない。ドイツ帝国の宰相ビスマルクが年金制度をつくった際に設定した、との説もあるらしい。100年以上も前の話だ。
平均寿命が延び、同じ65歳でも昔と今とでは体力的に違うだろう。国内のある研究によると、2002年時点で歩行速度などの体力が10年前より10歳ほど若返っていたという。一方で、うつなどになる人の数は、昔に比べて改善していないという指摘もある。
内閣府は12年、団塊の世代約3500人を対象に「何歳からが高齢者か」を尋ねた。その結果、65歳以上と答えた人は1割しかいなかった。8割は70歳以上の年齢をあげた。
高齢者を再定義しようと、日本老年医学会などが昨年から議論をしている。ただ、年金や雇用など社会制度と密接に関連してくる。大内尉義(やすよし)理事長は「社会的な合意を得るのは簡単ではない」と話す。
朝日新聞 2014年4月1日(火) 配信