歯周病原細菌に対する血清IgG抗体価の上昇とバージャー病との関係です。バージャー病は、ご存じのように、20歳から40歳の男性を中心に発症して進行する閉塞性血栓血管炎です。これまでは特に喫煙が大きく関わっているということが注目されていました。
バージャー病の患者さんを対象に、歯周病の状態と摘出した血管壁を調べたところ、歯周病原細菌が高頻度にパージャー病患者の閉塞した動脈から検出され、特にRed complexであるT. denticola、P. gingivalisやP. intermediaという歯周病原細菌が多く検出されました。
バージャー病の患者さんの足の部分です。左足の親指と小指が壊死して切断されています。バングラディシュの首都であるダッカに行き、ダッカ大学病院に入院している患者さんの足の部分を撮ってきたものです。この患者さんの口腔内を見ますと、多量のプラークの付着や歯肉に非常に強い炎症が認められ、重度の歯周炎に罹患しているのが分かると思います。