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口唇裂の子らに手術を ミャンマーへ医師派遣、寄付募る

生まれながら唇や口に障害のある海外の子どもたちに、無償で治療をするNPO法人「オペレーション・スマイル・ジャパン」(松島恵之理事長)が5月4日、医療チームをミャンマーに派遣し、約120人の手術をする。派遣はベトナム、インドに続き3カ国目で、最大の規模。「善意が子どもを笑顔に変えます」と寄付を募っている。

 口やあごに裂け目がある状態は、口唇裂や口蓋裂(こうがいれつ)と呼ばれ、アジア人だと400~500人に1人の割合で生まれる。日本では、大半が生後すぐに無料で手術を受けることができる。

 だが手術できる形成外科医が少なく、保険制度が整っていない国では、治療を受けられない赤ちゃんがほとんどという。母乳を吸えず、亡くなる子もいる。成長してもうまく話せず、引きこもりになりがちだ。

 途上国へのボランティアは米国の医師が始め、世界に広がった。今回は日本から形成外科医5人、麻酔科医と歯科医各1人、看護師2人の計9人を派遣し、ヤンゴン総合病院で約120人を無料で手術をする。11日まで。

 秋にはベトナム、来秋はカンボジアにもチームを派遣し、手術したいという。団長の保阪善昭・昭和大名誉教授は「手術によって、人生が本当に変わる子たちが大勢いることを知ってほしい」と話す。

 1人の手術にかかる費用は平均2万5千円で、寄付を募っている。問い合わせや申し込みは電話(03・5363・2247、平日午前9時~午後6時)で受け付けている。