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妊婦の歯周病検診無料に 倉敷市、早産などリスク減

倉敷市は6月から、市内に住む妊婦の歯周病検診を無料化した。妊娠中は女性ホルモンの影響で歯周病にかかりやすく、歯周病にかかっていれば早産や低体重児出生のリスクも高まるとされていることから、公費負担によって受診を促し、出産での不安を取り除いてもらう。

 市保健所と水島、児島、玉島、真備の各保健推進室の窓口に妊娠届出書を提出すれば、おやこ健康手帳(母子健康手帳)などと合わせて「妊婦歯科検診依頼票」を交付している。無料検診は妊娠中に1回、市内約200カ所の「検診実施医療機関」で受けることができる。

 検診には通常4千円程度が必要とされており、市は本年度、1500人(妊婦の3割)の受診を見込んで約600万円を予算化している。市保健所健康づくり課は「歯科医の指導や治療を適切に受けて元気な赤ちゃんを産んでほしい」としている。

 既におやこ健康手帳がある人は、各窓口で検診依頼票の交付を申請する。問い合わせは市保健所健康増進センター(086―434―9866)。

 市保健所などによると、妊娠中に分泌される女性ホルモンを栄養分として繁殖する細菌があり、妊婦は歯周病にかかりやすくなる。毒素が体内に入り込めば、免疫反応によって早産の危険性が高まるという。つわりなどで1回の食事量が減少することで、虫歯にもなりやすいとされる。

 岡山県内では総社、新見、井原市なども妊婦の歯周病検診を無料化している。