「やぶ医者」は名医だった―。兵庫県の中山間部にある養父(やぶ)市は25日、地域医療に貢献した医師を表彰する「やぶ医者大賞」を創設した。市によると、やぶ医者は本来、かつてのこの地域の名医が語源との説がある。へき地での活躍にスポットを当て、医師確保につなげるのが狙い。
全国のへき地の病院や診療所に勤務する50歳ぐらいまでの医師が対象。医師会や自治体などに推薦してもらい、8月31日まで募集し、審査を経て2人を選ぶ。受賞者にはそれぞれ奨励金50万円や表彰状を授与する。
市によると、江戸時代中期の文献には「養父の名医が死にそうな病人を治すほどの治療をすることもあり、評判が広がり多くの弟子がついた」とあり、次第に弟子を名乗る技量のない医師が横行したことで、下手な医師を意味するようになったという。