小型の家電などに使われているボタン電池を乳幼児が誤ってのみ込み、食道に穴が開くなどの重症事故が相次いでいることから、消費者庁が注意を呼びかけている。
ボタン電池は、コインのような平たいものや、ボタンのような形状まで様々あり、時計や懐中電灯などの小型家電やおもちゃなど、子どもの身の回りでも使われている。乳幼児が誤飲すると食道にとどまることが多く、放電の影響で1時間ほどで食道に潰瘍ができ、穴が開くケースもある。同庁によると、2010年4月から今年3月末までに、子どもの誤飲に関する事故情報が97件報告され、うち6割を1歳児が占めた。11件が入院している。
その一方で、ボタン電池の危険性は保護者に十分伝わっていない。同庁が今年3月に0歳から3歳までの乳幼児を持つ母親3248人にアンケート調査したところ、8割が誤飲事故を知っていたものの、6割が重症事例があることを知らなかった。
事故を防ぐ対策として同庁は〈1〉どの製品にボタン電池が使われているか、電池蓋が外れやすくなっていないかをチェックする〈2〉電池蓋のゆるんだ製品や未使用のボタン電池は、子どもの手の届かない所に保管する――ことをすすめる。
同庁の担当者は「子どもがボタン電池をのみ込んだ、のみ込んだ可能性があるという場合は、一刻も早く医療機関に向かってほしい」と話している。