日本臨床矯正歯科医会(富永雪穂会長、会員数約500人)は今年度の「震災孤児・遺児支援事業」を企画し、対象者を募集している。東日本大震災発生時20歳未満で、震災で親を亡くした人のうち5人を上限に、無料で新規に矯正歯科治療を行う。
矯正歯科治療は健康保険が適用されず、数十万円単位の高額な治療費がかかることが多い。親を失い、経済的に矯正治療を受けるのが難しい子どもや若者が想定されるため、支援を行う。対象者は、最寄りの同医会会員の医院で完了まで治療を無償で受けられる。
支援の条件は、かみ合わせに問題がある▽会員の診療所に通院できる▽症例報告への資料提供に同意するなど、医会の活動に協力できる――のすべてに当てはまる場合。申し込みを受け付けた後、かみ合わせなどの状況を精査し、優先性の高い人から治療を開始する。
同会は矯正治療中に被災した患者や震災孤児向けの治療支援事業を既に行っており、今年度は片親を亡くした遺児にも対象範囲を拡大した。
問い合わせ、申し込みは同歯科医会の事務局(電話03・3947・8891、メールはgakkai6@kokuhoken.or.jp)。【田村佳子】