北海道大は15日、少なくとも2004年度以降、教員59人が研究費の不正経理に関与していたと発表した。不正経理の総額は約5億3500万円に上る。架空発注で支払った物品代金を出入り業者に管理させ、後で引き出す「預け金」の手口が9割を占めた。
北大は昨年11月、04年度以降に教員44人が計約4億8000万円の不正経理に関わったと発表。今回は調査最終報告として、新たに教員15人の約5000万円分の不正経理が判明した。今回の不正経理を含め教員56人について停職や出勤停止、訓告などの処分を行った。残る3人は退職した。
教員59人のうち1人(元教授)は、1600万円以上の私的流用をした疑いがあるとして昨年6月に刑事告訴した。新たに判明した15人の中に、私的流用は確認されていないとしている。
北大は15日、学内で記者会見し、山口佳三学長ら8人の理事が給与1か月分の10分の1を自主返納すると発表した。山口学長は「大学教員がこのような事態を招き、国民の皆様に深くおわびする」と頭を下げた。
文部科学省の全国調査によると、13年11月末時点で、47の大学や研究機関で計約5億7500万円(154人分)の不正経理が確認され、うち北大分は約3億6500万円で、約6割を占めていた。