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群馬県立4病院 「ヒヤリ・ハット」が減少 昨年度3230件 最多は「与薬」の17.1%

県立の4病院で昨年度、患者に実害を与える前に誤った医療行為が発見された「ヒヤリ・ハット」事例の報告件数が、前年度比17%減の3230件となった。実際に発生した医療事故は6%増の940件となったが、ヒヤリ・ハットとの合計では12%減の4170件で、調査を開始した2005年度以降、初めて減少に転じた。県病院局が発表した。

 調査対象の4病院は心臓血管(前橋市)▽がん(太田市)▽精神医療(伊勢崎市)▽小児医療(渋川市)の各センター。発生が最も多かったのは火曜日、時間帯は午前10~11時台だった。内容別では薬を投与する「与薬」が17・1%で最多で、直接的な医療行為以外の「観察」が14・2%、「転倒・転落」が12・7%の順だった。

 医療事故の具体例では、ミルクアレルギーの疑いのある子どもにミルクを与え、重度のアレルギー反応「アナフィラキシー」を生じさせた事例があった。スタッフ間で情報が共有されていなかったことが要因という。このほか、車椅子の患者が移動時に転倒して骨折したり、投与禁止となっていた解熱剤を誤って投与したりする事例もあった。死亡事例は入院中の自殺と術後の合併症の2件で、家族の了解が得られていないとして詳細は公表していない。