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感染性心内膜炎、無視できない歯磨き【研修最前線】

歯科治療と感染性心内膜炎の関連について、今までは観血的な歯科の治療が原因だといわれつづけてきました。しかし、いろいろ調べてみても、両者の因果関係を示す臨床疫学的なエビデンスはほとんどありません。例えば、感染性心内膜炎を起こした人が数週間前に歯を抜いていたとなると、時間的な関係で多分それが原因だろうということになっていますが、そのような時間的な関係(だけ)がわかっている症例にしても、全体の4%から7.5%くらいしか存在しないといわれています。

 そこで、最近では、歯科で行う抜歯などのイベントよりも、日常活動としての歯磨きや咀嚼による出血が、実は重要なのではないか、と考えられるようになってきたのです。先ほどお示ししたように、抜歯ではなく歯磨きだけでも、出血すれば、無視できないような菌血症になる可能性があるわけですから、口の中の衛生状態と口腔内の出血の重要性が注目され始めた、というわけです。