1回分の洗濯洗剤をフィルムに包んだ「パック型洗剤」を、子供がお菓子と誤って口にする事故などが多発している。
日本中毒情報センター(茨城県つくば市)には、昨年4月から12月までに134件の情報が寄せられ、注意を呼びかけている。
パック型洗剤は1個15~25グラムで、緑やピンク色をしており、水に溶けるフィルムで密封されている。洗剤の計量の手間が省け、欧米では粉末、液体に次ぐ「第3の洗剤」として普及。国内では輸入のほか、家庭用品大手の「P&G」(神戸市)が昨年4月から「ジェルボール」の名前で販売している。
同センターによると、子供の事故は125件で、うち2歳以下が7割。残り9件は高齢者だった。子供が口にした事例は116件で、6割で嘔吐おうとなどの症状が見られ、入院したケースもあった。洗剤が子供の手の届く所にあるなどして事故につながっていた。
同センターとは別に、消費者庁が公開した事故情報データバンクによると、東京都内で昨年11月1日、同様の洗剤をのみ込んだ2歳児が、急性薬物中毒の重症で搬送されている。
P&Gによると、回収や形状の変更は予定していないという。「製品には子供の手の届かない所に保管するよう表記しており、使用上の注意を守れば問題はない。正しい使い方を発信していきたい」と話している。消費者庁は「事業者による注意喚起の努力を見守りながら、必要な対応を取っていきたい」としている。