長崎大は13日、昨年9月に実施した歯学部の実技試験で、事前に課題を学生に漏らす不正をしたとして、歯科研修医3人を戒告の懲戒処分にしたと発表した。管理責任を問い、中山浩次(なかやま・こうじ)歯学部長ら4人は訓告などの処分にした。
中山学部長は、記者会見で「研修医が事前に課題を把握できないようにし、再発防止に努める」と述べた。
歯学部によると、試験は「医療系大学間共用試験実施評価機構」(東京)が提供。歯を抜いたり、フッ素を歯に塗ったりするなど臨床能力を確かめる内容だった。
昨年9月、5年生約50人が臨床実習に進むために受験。うち3人の学生が、内容を知っていた研修医から電話などで聞き出し、無料通信アプリLINE(ライン)を使ってほかの学生にも知らせていた。試験当日、預かった学生の荷物から課題が書かれた紙が見つかり、不正が発覚した。
処分は昨年12月16日付。公表が遅れた理由を歯学部は「処分対象者の研修が続いており、研修が終わるまで待った」と釈明している。