歯周病検診のマニュアル見直しを検討する厚生労働省の専門家検討会は、歯石が付着しているだけの場合は原則として精密検査の対象としないことを決めた。
現在は同検診を受診した人の約8割が要精検となっており、うち4割程度は歯石が理由とみられる。新マニュアルに基づく検診は、2016年度から本格的に実施される見通しだ。
現行の歯周病検診は、原則として40、50、60、70歳が対象で、歯石の有無、歯と歯茎の間の溝(歯周ポケット)の深さなどを調べている。その結果、歯石があるか、歯周ポケットの深さが一定以上あれば要精検、出血が確認されると指導となり、いずれも歯科医受診が勧められる。
歯石があるだけでは歯周病とはいえず、歯石を理由に要精検の割合が高くなることには、歯科医師からも疑問が出ていた。ただし、放置しておくと歯周病のリスクを高めるため、歯石除去を促す指導はこれまで通り行う。
歯周病は、歯肉の腫れや出血などが起こり、進行すると歯が抜ける病気。糖尿病や動脈硬化など全身にも影響を与えているとの報告もある。
ただ、検診を実施している市町村は全体の6割弱で、受診者は約28万人にとどまっている。