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インプラントも歯槽膿漏になるの? 歯と口の健康アラカルト

スウェーデンにあるルンド大学の教授であったブローネマルクが、1952年にチタン金属が拒否反応を示すことなく骨と結合すること=オッセオインティグレーション=を発見し、その後イエテボリ大学にて研究し、純チタン製のデンタルインプラント(以下インプラント)を開発しました。65年には純チタン製のインプラントの臨床応用が開始され、今現在50年余りが経過します。

 彼の功績は、ノーベル賞にも値し「デンタルインプラントの父」と呼ばれたのですが、昨年12月20日享年85歳でこの世を去りました。

 現在、ブローネマルク教授が開発したブローネマルクシステムを基に、世界中でさまざまなインプラントが開発され、その数は100種類以上、コピー品も含めると300種類を超えるとも言われています。今では、これらのインプラントも多くの患者様に受け入れられ市民権を得るようになりました。その構造もまた先に述べたオッセオインティグレーションを更に強固なものとして進化を成し遂げ、顎骨(がくこつ)の中での安定性と成功率を高めています。

 しかしながら、歯槽膿漏(しそうのうろう)(歯周病)により歯を失ったような患者さんの場合には口腔内に歯周病菌が多く存在するため、インプラント治療を行った際、再びそこにプラークが付着し歯周病菌が繁殖しやすい環境となります。つまり、インプラントの歯周病=インプラント周囲炎である感染症に罹患(りかん)するのです。

 これを防ぐためには、日頃から口腔内のブラッシングをしっかりと行い歯周病菌を減らしておく事が重要です。