近年、高齢者の誤嚥英肺炎が急増し、口腔ケアの必要性が叫ばれる中、化粧の効果が口腔機能の向上に作用すると話題になってる。化粧品メーカーの『資生堂』は、1990年から化粧療法の研究を開始。心理的効果をはじめ、脳の活性化や身体機能の向上などの効果を明らかにしてきた。2011年からは、歯科衛生士と連携して高齢者の化粧による口腔機能への影響を検証。介護施設に入所している平均年齢85.2歳の高齢者女性27人を対象に、毎日のスキンケアと月1回の美容教室を3ヶ月間行った結果、嚥下を促す唾液サブスタンスP濃度が上昇。さらに、30秒間なるべく早く唾液を飲みこむ「反復唾液嚥下テスト」では、1回しかできなかった高齢者女性の約8割が、2回以上の嚥下を行えるようになった。