日本社会は世界で類のないスピードで高齢化を迎えつつあると言われていますが、これに伴って認知症患者の数も爆発的に増加しています。今年1月に厚生労働省は全国で認知症患う人の数が2025年には700万人を超えるとの推測値を発表しました。65歳以上の高齢者の、実に5人に1人が認知症ということになります。認知症高齢者の数は2012年の時点で全国に約460万人と推測されており、約10年で1.5倍にも増えることになります。これに対して国は新オレンジプランを初めとする認知症患者支援や認知症の人が住みやすい地域づくりなどの事業を推進しています。
こうした認知症になってしまった人への様々は対策も大切ですが、認知症にならないようにする、なってしまっても進行を遅らせるといった予防策も同時に必要です。私たちができる認知症の予防としては、①抗酸化物質であるビタミンEやBカロチンを多く含む野菜、果物や、DHAやEPAを含む青魚をよく食べる等の食習慣を見直すこと、②週3日以上の適度な有酸素運動をすること、④人とよくお付き合いをしてよく話すこと、⑤文章を書いたり読んだり、新しい事に好奇心をもつこと、などが挙げられています。こうした認知症予防につながる生活習慣の改善には、口腔の機能がどれだけ健康な状態に保たれているかということがとても重要な鍵となってきます。
すなわち「よく食べられる口」「よく話ができる口」であり続けることが、認知症を予防する上で、あるいは認知症の進行を遅らせる上で重要になってきます。