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歯と口の健康週間 6月4~10日 カバのテツオだよ。歯みがきするから見に来てね! 31日午後1時半から、天王寺動物園で

「歯と口の健康週間」(6月4~10日)にちなんで、大阪・天王寺動物園で今月31日午後1時半から「カバのテツオ君歯みがき教室」と「子どものための歯科相談」(大阪府歯科医師会・毎日新聞社主催、大阪市天王寺動物公園事務所共催、大阪府・大阪市後援、大阪小児歯科専門医臨床研究会協力)が開かれます。4回目となる今年もテツオ君が、大きな口を開けて気持ちよさそうに歯を磨いてもらう姿を見せてくれるでしょう。

 ◇150度まで開く大きな口 人と同じ、お菓子で虫歯に

 テツオは31歳のオス。天王寺動物園で生まれ、メキシコ生まれの妻のティーナとともに、カバ舎で暮らしています。

 野生のカバはアフリカ大陸にだけすんでいます。夜行性のため、一日のほとんどを水の中で過ごしており、テツオも450トンの水をたたえたカバ舎のプールの中にいることが多いです。カバは水より比重が大きいため、水底を歩くことができますが、泳ぐことはできません。陸上では時速40キロ以上のスピードで走る能力を持っていますが、長距離走は苦手です。

 普段水の中で暮らすカバの皮膚は乾燥や紫外線に弱く、皮膚を守るために赤みを帯びた粘液を出します。「血の汗」などと呼ばれますが、カバには汗腺がありませんので、これは汗ではありません。この粘液には殺菌作用もあるため、肌をけがしても膿(う)んだりせずに治す力があるそうです。

 カバはあごの筋肉がとても発達していて、あごの関節の構造もあって口を150度まで大きく開くことができます。その口の中に歯は計40本あります。中でも下あごから上に伸びている犬歯はとても強くて、時には自分の口を突き破ることもあるそうです。

 テツオは普段、1日に50キロもの食事をとります。草食性ですので、干し草や野菜、固形飼料を混ぜたものを口の奥にある臼歯ですり潰して食べます。

 同動物園の獣医師、西岡真さん(46)によると、動物にも虫歯はあって、親とのスキンシップで親から虫歯菌をうつされたり、入園者がやる糖分の多いお菓子を食べて虫歯になるケースが多いようです。人間と同じですね。テツオのように歯みがきをさせてくれる動物は少ないのですが、ホースで水を流してうがいさせるだけでも虫歯予防に効果があるそうです。