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口の細菌、健康な歯保つ 免疫向上、岡山大解明

口の中にいるさまざまな種類の細菌が、歯茎などの歯周組織を守る免疫機能を高めることを岡山大の入江浩一郎(いりえ・こういちろう)講師(予防歯科)らのチームがマウスの実験で突き止め、24日発表した。腸内と同じく口内でも常在菌が健康維持に役立っているとしている。

 チームによると、歯を支える骨が溶けるなどする歯周病は、病原菌と、口内の免疫のバランスが崩れて起きるとされ、国内では歯が抜ける原因の約6割を占める。

 これまで歯周病の研究は病原菌に関するものが多かったが、チームは、人の口の中にいる300種類以上の細菌や真菌に着目した。

 実験で、口に常在菌のいるマウスと、無菌状態にしたマウスを比べたところ、常在菌のいるマウスは、雑菌の侵入を防ぐ「好中球」の数が約2倍だったほか、歯肉の上皮が厚く、より強固に歯を支えているなど健康な歯周環境が保たれていた。

 入江講師は「常在菌を活用して歯周病を予防したり、進行を遅らせたりする技術の開発につなげたい」と話す。