政治団体「日本歯科医師連盟」(日歯連)をめぐる迂回(うかい)献金事件で、東京地検特捜部は30日、自民党の石井みどり参院議員の後援団体への5千万円の迂回献金を隠すため、政治資金収支報告書に虚偽の記載をしたなどとして政治資金規正法違反の疑いで、前日歯連会長の高木幹正(たかぎ・みきまさ)容疑者(70)ら3人を逮捕した。
組織内候補だった石井議員が出馬した2013年7月の参院選に向けて行われたとみられる資金操作は、組織トップの刑事責任が問われる事態に発展した。
ほかに逮捕されたのは元会長の堤直文(つつみ・なおふみ)(73)と元副理事長の村田憙信(むらた・よしのぶ)(70)の両容疑者。特捜部は認否を明らかにしていない。
日歯連をめぐっては、13年1月に民主党の西村正美参院議員を後援する政治団体を迂回して、石井議員を後援する政治団体に5千万円を献金した疑惑が浮上。石井議員の後援団体には同じ13年に4500万円を直接寄付しており、特捜部は今年4月、寄付の年間上限額(5千万円)を超えないよう偽装した疑いがあるとみて政治資金規正法違反容疑で関連先を家宅捜索し、捜査を進めていた。