「入れ歯の日」の8日、使い終わった入れ歯に感謝する供養祭が、津市栄町1丁目の四天王寺であった。512個の入れ歯が集まり、参加者約40人が見守る中、読経があげられた。
供養祭は、入れ歯が捨てられないという声を受け、県保険医協会が16年前に始めた。参加者は本堂に供えられた入れ歯の前で焼香した。その後、入れ歯の一部は境内の供養塔に収められた。残りは金属部分を業者に回収してもらい、児童福祉施設などへの寄付金とする予定。
津市幸町の自営業米田あき子さん(75)は、昨年末亡くなった夫の入れ歯を持参し、供養した。夫が半身不随になった後の19年間の思い出が詰まっているという。「残った入れ歯が気がかりだった。天国の夫もこれで安心したのでは」とほっとした様子だった。