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将来、天気次第で歯周病も予報? 岡山大大学院の森田教授ら研究

「きょうは気温の上昇が急激でしたので、あすは歯茎の炎症などの症状が出やすいでしょう」―。将来、こんな予報が出されるかもしれない。天候が歯や口の健康に影響している可能性があることが、岡山大大学院の森田学教授と竹内倫子助教=ともに予防歯科=らのグループの研究で分かった。気圧、気温の変化が歯茎の痛みや腫れといった歯周病の急性症状に関与していることが予想されるという。

 天候の変化による病気の発症は「気象病」「季節病」と呼ばれ、脳梗塞、頭痛、うつ病、神経痛などが知られている。

 グループは2011年11月~13年11月、岡山大病院予防歯科を受診した患者延べ2万34人のうち、原因の分からない急性症状が出た県南の男女153人(平均年齢68・7歳)を対象に調査。岡山地方気象台のデータを活用し、発症時の気象条件を分析した。

 その結果、1時間ごとの気圧が急激に低下した日の2日後と、1時間ごとの気温の上昇が大きかった日の翌日に発症するケースが多かった。過去の研究報告なども加味すると、気圧や気温の変化が交感神経に影響したり、気圧の低下が歯周病の原因細菌の増殖に関与したりしている公算が大きいとみられる。

 竹内助教は「さらに研究を重ね、天気予報のように“歯周病注意報”が出せる仕組みを作りたい」と話している。