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旭川市で梅毒感染急増、今年既に6件 保健所「病院受診か相談を」

旭川市内で性感染症の一つである梅毒の感染者が急増している。年間確認件数は例年0~1件程度にすぎなかったものの、2015年に6件に急増。今年は13日現在で既に昨年と同数に達している。今後さらに増える可能性もあり、市保健所は「異常な増え方だ。今後の状況を注視したい」(健康推進課)と警戒している。

 市内の医療機関での感染確認は、近年では比較的多かった12年でも3件で、13、14年は1件。11年以前はおおむね0~1件で推移していたのが実態だった。

 だが、昨年から状況が一転。今年は早くも1~3月に5件、今月5日にも1件が確認された。内訳は男性5人、女性1人で年齢層は20代から50代までと幅広い。

 市保健所によると、梅毒は基本的に性交渉で感染し、発疹や発熱、性器にしこりができるなどの症状が特徴。ただ、症状が現れずに放置されるケースも多い。症状の有無にかかわらず、長期間の放置により心臓などに菌が回って重篤化すれば、死亡に至る場合もあるという。抗菌薬で完治するため、早期の治療が重要とされる。

 梅毒感染者は全国的にも増加傾向で、要因について同保健所は「増加する海外からの旅行者が持ち込んでいることも理由の一つだろう。性産業の多様化も影響しているのでは」と指摘する。その上で避妊具の正しい使用による予防のほか、「気になることがあればすぐに病院を受診するか、保健所に相談を」と呼びかけている。相談は市保健所の「エイズ専用相談電話」(電)0166・26・8120で受け付けている。(松井伊勢生)