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薬局ヒヤリ・ハットの共有事例を公表 日本医療機能評価機構

日本医療機能評価機構の医療事故防止事業部は、薬局ヒヤリ・ハット事例収集・分析事業の共有すべき事項を公表した。

 事項は内服薬調剤に関する事例2件と管理・セット間違いに関する事例など。内服薬調剤に関する内容のうち「処方箋監査間違い」では、熱性けいれんの既往歴のある患者に使用を控えるべき薬剤が処方されたものの、薬局では既往歴の確認を怠ったため、薬袋と情報提供文書に記載された注意書きにより、家族からの報告で発覚した。事例のポイントとして機構は、「薬袋などに注意書きを掲載することで患者の家族が気づき、危険を回避できた。薬局では患者情報を十分に聞き取り、説明することが基本であるが、不十分になる場合もあるため、家族へ情報提供し、注意喚起することが必要」と指摘している。

 「管理・セット間違え」に関する事例では、施設に入所中の患者に居宅療養管理指導を行うため初めて当該施設に行くと、火曜朝夕食後に服用する医薬品が金曜朝夕分の薬と一緒にホチキスで留められていたもので、事前に担当医から患者本人と看護職員双方に不安があることを伝えられていたという。機構は事例を参考として「施設に限らず居宅療養の場合、薬剤の管理が困難なときがある」として薬剤師の介入を強調している。