【今金】町と町教委が、町内の小中学校で行っている感染症予防の取り組みが成果を上げている。昨年度、町立八雲総合病院の医師の助言を受けて今金中で行った対策事業では、手洗いの徹底指導が奏功して昨冬の生徒、教諭のインフルエンザ感染者が激減。本年度は今金小で同様の事業を行う予定で、6月6日には中学校での成果を発表する「感染症対策シンポジウム」が町内で開かれる。
町などはここ数年、同病院の吉田雅喜小児科診療部長に指導を受け、乳幼児や高齢者らの保育所や福祉施設内などでの感染予防に力を入れている。
今金中での取り組みはこれを学校に採り入れたもので、昨年5~9月に吉田部長や町の保健師らが計10回、インフルエンザの知識や対策法、手洗い技術などを教諭、生徒に伝える講義・実習を校内で実施した。
これを受け、学校側では教頭、養護教諭らが学校感染制御チーム(スクールICT)を設置。インフルエンザなどの流行状況の把握と、家庭への予防法や意識の普及などに努めた。
この結果、2015年11月~16年3月のインフルエンザ感染率(総数に占める延べ感染者の比率)は、教員で5・9%と14~15年の同時期の3分の1、生徒は5・6%と5分の1に激減。「学年・学級閉鎖が一度もない極めてまれな冬」(町保健福祉課)となった。
中島光弘副町長は「指導の徹底と、それを日常的に継続させる校内のチームの役割が大きかった」と分析。本年度は児童向けに指導方法を工夫するなどし、今金小でスクールICT事業を展開する予定だ。
6月6日のシンポは午後6時から、総合福祉施設としべつで開催される。吉田部長が学校現場での感染症対策について基調講演し、今金中の岡健教頭、町の保健師らがパネルディスカッションで昨冬の取り組みや成果、今後の課題などを語る。参加無料。問い合わせは総合福祉施設としべつ