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在宅医療推進に向けた課題解消へ

在宅医療推進に向けた課題解消へ 厚労省・全国在宅医療会議

 厚生労働省は全国在宅医療会議を開催した。地域医療構想の実現と地域包括ケアシステムの構築が喫緊の課題であるなか、両者の接点である在宅医療の提供体制を実効的に機能させることを目的に行われる会合で、在宅医療推進のための基本的な考え方やその実現のための各種諮問ワーキンググループ(WG)の開催なども予定している。

 国策として医療計画や地域医療構想、介護連携推進、診療報酬による誘導を行ってきた一方、生活者に対して在宅医療が生活の質の向上に資する具体的な効果を提示できてこなかったことや、医療従事者側に存在する在宅医療に対する固定観念や不信感が払拭されていないことが課題とされている。さらに在宅医療については、これまで医師がけん引してきた関係で、サービス提供者によって、さまざまな手法が存在しており、また小規模な組織で在宅医療が提供され、24時間対応は求められる激務であることから、研究体制が構築できずに、全国組織の連携も十分でないなど、課題が山積しているのが現状だ。

 こうした課題と現状を打開するため、会合では関係者が一体となって協力体制を構築したうえで、連携しながらエビデンスの蓄積を推進する。このほかに複数の「重点分野」を定め、入院医療とは異なる在宅医療の特性を踏まえた適切な臨床評価指標を充実する。また在宅医療に関する普及啓発のあり方などに関しても検討を重ねる方向。重点事項に関しては今秋開催予定のWGで議論し、定期的に在宅医療会議に報告する運びとなっている。