宮崎市浮田の岡田整形外科(福嶋秀一郎院長)は9月から、地域住民らに生活習慣を総合的に考えてもらおうと、認知症予防や口腔(こうくう)ケアなどについて専門家が解説する月1回講座を同院で始めた。関係者は「生活習慣をトータル的に指導する講座は珍しく、健康寿命を延ばす意識向上につなげたい」としている。
同院で栄養指導をする管理栄養士の牧春菜さんによると、生活習慣を見直すため食事や体操など単独での指導や講座はあるが、トータル的に取り組む講座は聞いたことがないという。牧さんは「単独だと効果が薄いが、総合的に生活習慣に関する知識を学び、改善できれば健康寿命を効率的に延ばせる」と感じ、同僚と講座を企画した。
講座は全6回。第1回は「認知症予防」と題して15日にあり、高齢者ら約20人が参加。同院の介護福祉士・矢頭有希子さんが認知症のリスクを下げる食生活や運動を紹介したほか、「料理は数品を同時進行で作る」「囲碁や将棋をする」など、楽しみながら認知機能を鍛えることを勧めた。
牧さんは「噛(か)むことで脳を元気に」と題し講話。脳に刺激を与え認知症予防になる「かむ機能」が年齢とともに衰えることに加え、「現代は食材の変化や加工技術の進歩から柔らかい食事が主流の『かめない時代』」と指摘。だが「かむ機能は、ある程度回復でき、まずは一口につき30回かむことを意識し顎を鍛えて」などと訴えた。