政府は7日、「地域包括ケアシステム強化法案」を閣議決定した。一定の所得以上の高齢者が介護サービス利用時に払う自己負担割合を、2018年8月から3割に引き上げる介護保険法の改正案や、障害者総合支援法の改正案、社会福祉法の改正案などが含まれる。
厚生労働省によると、介護サービスの自己負担が3割に引き上げられるのは、現在、2割負担している人のうち、単身者の場合で年収340万円(年金収入のみの場合は344万円)以上、夫婦世帯では年収463万円以上。対象は利用者の約3%(約12万人)という。塩崎厚労相は7日の閣議後記者会見で、「3割負担の対象は特に所得の高い人だ。制度改正では、低所得者の負担を据え置くなど様々な配慮をした」として理解を求めた。
高齢者の介護の必要度を示す「要介護度」を維持・改善した市町村を財政的に支援する仕組みも、18年度から導入する。要介護度を低く保つことでサービス給付を抑え、40歳以上の人が負担している介護保険料の上昇を抑えるのが狙い。17年度中に具体的な評価指標を決める。リハビリ職と連携した介護予防の取り組み状況や、個々の利用者の介護計画が適正かどうかを専門職が検討する会議の開催状況などを評価対象とする見込みだ。
また、一定条件を満たせば、現在は別々に運営している介護と障害者福祉の各事業所を一体化できるようにする。17年度に指定基準を検討する。