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肥満と歯周病

肥満防止の食べ方としてよく言われるのが「よく噛む」です。
沢山噛むことにより、満腹中枢を刺激し脳から「満腹ですよ」という
シグナルが出され、結果食べる量をセーブするというのが根拠です。
では、肥満の方のお口の中はどうでしょう。

肥満になると内臓脂肪に「TNF-α(腫瘍壊死因子)」
という物質が沢山発現します。白血球の1つ「単球(マクロファージ)」
からも分泌され、炎症反応を活発化させるのに重要な役割を果たしています。
つまり、肥満の人は常に体内が炎症状態にあるということです。
この状態で何らかの感染症に感染すると更に全身の炎症がひどくなり
感染症の1つである歯周病もより悪化するということになります。
更に、歯周病菌の死骸が「内毒素」と言われる多量の毒素をまき散らします。
すると脂肪組織や肝臓からのTNF-αの産生を進め、
血液中の糖分の取り込みを押さえインスリンの働きを邪魔します。
肥満も歯周病もTNF-αのの分泌が活発になり血糖値のコントルールが
悪化し結果的に糖尿病を発症させる可能性があると考えられます。

BMI値の高い肥満の人は普通体重者に比べ歯周病にかかるリスクは
1.55倍高いことが認められました。
有名某タレントさんが「カレーは飲み物」だとおっしゃっていました。
そのタレントさんは確かにかなりのぽっちゃりさんだとお見受けします。
しっかり噛んでお食事をしないと肥満のリスクが高くなる。
肥満になると歯周病のリスクが高くなる。歯周病になるとしっかり噛むことが
難しくなってくる。すると噛まずに食事をし肥満になるリスクが上がる。
まさに負のスパイラルです。
せっかくの美味しいお食事です。しっかり噛んでさらに味わいたいものです。