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道内の無届け有料老人ホーム 入居者紹介元は7割が病院

老人福祉法で義務づけられた自治体への届け出をしていない道内の「無届け有料老人ホーム」のうち、7割が病院から入居者の紹介を受けていることが、一般財団法人「高齢者住宅財団」(東京)の調査で分かった。無届けホームは、施設基準を満たしていないことが多いが、入居費用は概して安い。低所得で身寄りのない高齢者の行き場は限られており、無届けを承知で紹介しているケースが大半とみられる。

 調査は2016年度の厚生労働省の補助事業として実施。財団によると、無届けホーム事業者を対象とした初の大規模な全国調査で、全国55自治体からの情報提供で所在が判明した692施設に調査票を送り、道内122施設を含む225施設から回答を得た。

 入居者の紹介元を複数回答で尋ねたところ、道内の施設では「病院や診療所」の68%が最多だった。病院側にとって、入院が長引くと診療報酬が低くなるため、病状が安定した高齢者には退院を促さざるを得ない事情がある。