「そのくらいの傷なら唾を塗っておけば治る」は本当だった?!ヒトの唾液に多く含まれるペプチドであるヒスタチン1やヒトの唾液をニワトリやヒトの培養細胞に添加すると、内皮細胞の接着や遊走、血管新生を促進するとの実験結果が報告された。米国実験生物学会連合がFASEB Journalの掲載論文を紹介した。
口腔内の創傷の治癒が他の部位に比べ、早いことが知られており、唾液が創傷治癒メカニズムの一部を担うと推定されてきたが、詳しい機序は分かっていない。
研究グループは今回、ニワトリやヒトの培養細胞を用いた実験で、唾液に含まれるヒスタチン1や唾液が内皮細胞の接着や血管新生の促進など創傷治癒に関わる作用を持つことを証明した。FASEB Journal編集長は「この検討により創傷治療がさらに進化するかもしれない」と評価。「動物や子供が傷を舐める行為に潜む意義を思い出させてくれた」と述べている。